出産したら、育児が待っている。
これってすごく幸せなこと…なんだと思う。
医療は神ではない。
出産は誰もに与えられた“当たり前”とは、ちょっと違うと思う。
まだ、ぁゅは、そこにたどり着けてはいないけど。
陣痛が来て、
赤ちゃんが無事に産まれてくれて、
ぁゅは家に戻ってこれる。
…なんて、思っていない。
文字通り「命懸け」なんだと思う。
赤ちゃんの心拍が確認できて、
日に日に流産の確率が減り、
毎月予定日にお花を飾りながらカウントダウンし、
もうすぐ正産期(臨月)となり、
毎日を思うからこそ、
妊娠期にやりこなさなければならなかった。
赤ちゃんの誕生日は、
ぁゅの最後の日になるかもしれない。
赤ちゃんはぁゅのことを、記憶できないかもしれない。
ルナにすべて託さねばならないかもしれない。
赤ちゃんは大きくなったとき知りたいかもしれない。
そう思いながらの毎日。
ルナとぁゅとの思い出のもの。
ぁゅが管理を任されていたもの。
記憶の中で完結できていたイロイロなもの。
食材も、日用品も、礼服の場所も、貴重品も、
オークションや質屋に出しやすくするものも、
全部見てわかるように、追われるように片付け続けた。
それが、やっと一区切りついた。
もしもの時、残された二人が困らないように。
それが、妊娠期にぁゅが唯一残せること。
できるならば、
料理のレシピと二人に手紙あたりが残せたらいいんだけど。
あとはパパに任せるしかない。
ママはかなり気が強かったけど、一番愛した人だよ、と、
伝えてもらえたら、嬉しいな。
さあ、あと少し。
産まれるまでの間、なにができるかな。
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